営業の基本「商談」とは? 打ち合わせとの違いと全体の流れ
「商談って具体的には何をするの?」
「商談と打ち合わせって。同じ意味じゃないの?」
営業の仕事において「商談」は、自社製品・サービスの魅力を顧客に伝え、成約してもらうために重要です。
本記事では、商談の目的や「打ち合わせ」との違い、全体の流れと成功するポイントを解説します。
目次[非表示]
- 1.そもそも「商談」とは?意味や目的、関連用語
- 1.1.「商談」の意味
- 1.2.商談する目的
- 1.3.商談と「打ち合わせ」との違い
- 1.4.商談に関連する用語
- 1.4.1.「営業」と商談
- 1.4.2.「交渉」と商談
- 1.4.3.「アポイントメント」と商談
- 1.4.4.「クロージング」と商談
- 2.商談の流れと成功するポイントとは?事前調査からアフターフォローまで
- 2.1.商談前の流れと成功するためのポイント
- 2.1.1.「顧客情報をリサーチする」
- 2.1.2.「顧客をターゲティングしアプローチする」
- 2.1.3.「商談を取りつける」
- 2.1.4.「商談内容をまとめる」
- 2.2.商談中の流れと成功するためのポイント
- 2.2.1.名刺交換する
- 2.2.2.アイスブレイクを行う
- 2.2.3.自社紹介をする
- 2.2.4.顧客の悩みをヒアリングし、課題を明確にする
- 2.2.5.解決策として自社製品・サービスを提案する
- 2.2.6.顧客の疑問に答える
- 2.2.7.クロージングする
- 2.2.8.今後の検討スケジュールを決める
- 2.3.商談後の流れと成功するためのポイント
- 2.3.1.その日のうちにお礼のメールを送る
- 2.3.2.進捗をチームメンバーに共有する
- 2.3.3.タイミングをみてフォローをする
- 2.3.4.順次進捗を記録する
そもそも「商談」とは?意味や目的、関連用語
営業における「商談」は、「打ち合わせ」とは異なります。商談の正しい意味と目的を理解することが営業の第一歩です。関連する用語とともに解説します。
「商談」の意味
商談とは営業活動の一環で、顧客に対し自社の製品やサービスを紹介して、取引を相談したり話し合ったりすることを指します。
場合によっては商談の場で成約にまで至る可能性があるため、営業活動の中でも成果に結びつく重要な場面です。
商談する目的
商談の目的は自社製品・サービスを取引先に成約・購入・契約してもらうことです。商談の成功は、会社の売上を拡大し、安定した経営に貢献します。
そのため、商談の場で取引先に対し、自社製品・サービスの良さをプレゼンテーションする必要があります。
商談と「打ち合わせ」との違い
商談と打ち合わせの違いは、目的と実施するタイミングです。
営業活動における「商談」は、自社製品・サービスの成約を目的とした相談・話し合いの場です。一方で「打ち合わせ」は、成約した後に実施されるアフターフォロー・進捗状況の確認の場を指します。
商談の場で成約したら終わりではなく、打ち合わせにより顧客へのケアを行うことで、顧客との信頼関係を築き、中長期的に付き合いが続きます。
商談に関連する用語
営業では商談と併せて頻出する用語がいくつかあります。言葉のニュアンスを掴んでおきましょう。
「営業」と商談
そもそも「営業」とは、会社の業績・売上を上げるための活動全般を指します。顧客の課題を解決するために、顧客と相対してコミュニケーションをとったり、課題解決のための策として自社製品・サービスを提案したりします。
営業活動のプロセスの中の、成約に向けた話し合いが「商談」です。
「交渉」と商談
「交渉」は、自社製品・サービスに関して提案したり成約への条件をすり合わせたりして、駆け引きする行為を指します。
商談中は、名刺交換をしたり悩みを引き出したりと、さまざまなアプローチで顧客とコミュニケーションをとります。その中でも、成約に関わる場面で行うのが交渉です。
「アポイントメント」と商談
営業活動における「アポイントメント」は、商談するための約束を取りつけることです。メールや電話で、商談の場で話したい概要を伝え、日程を調整します。
関係性が浅い状態では、アポイントメントのやり方ひとつで印象を左右します。顧客に失礼がないよう、言葉遣いややり取りの仕方に気を付けましょう。
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URLを送るだけで日程調整作業が完了し、何度もメールでやり取りをする必要がありません。
「クロージング」と商談
商談の流れの中で、顧客の課題を踏まえ自社の提案に納得してもらい、成約させる段階を「クロージング」と言います。
クロージングは商談の最終局面です。それまでどのような交渉をしていても、切り出すタイミングを間違えたり強引に成約させようとすると、すべてが水の泡になる可能性があります。
顧客が困っていることに真摯に向き合い、課題解決に向け誠意をもって、慎重に切り出しましょう。
商談の流れと成功するポイントとは?事前調査からアフターフォローまで
営業の基本であり、会社の売上に直結する商談。全体の流れを説明しつつ、商談を成功させるポイントについてご紹介します。
商談前の流れと成功するためのポイント
商談は事前準備が重要です。顧客と対面する前にやるべき手順と成功するためのポイントを解説します。
「顧客情報をリサーチする」
顧客となりうる見込み客が存在する市場を調査する必要があります。見込み客がより多く集まりそうな媒体を絞り込み、 どのようなユーザーが集まっているのか調べてみましょう。
商談は、いかに顧客の悩みを引き出し、魅力的な解決手段を提案できるかが重要です。市場調査は、業界が抱える課題やニーズを知る上での貴重な情報源となります。
「顧客をターゲティングしアプローチする」
市場調査で得た情報を参考にしながら、より自社の製品・サービスにマッチしそうな顧客を探し、アプローチします。
具体的なアプローチ方法は下記が挙げられます。
・メールを送る
・電話をかける
・DMを送る
・直接訪問する
・セミナーやウェビナーの案内をかける
初めての接触なので、お客様への傾聴を心がけましょう。自社を紹介しつつ、困ったことや課題を解決したい、という気持ちを率直に伝えるのが重要です。
「商談を取りつける」
アプローチして顧客に認知してもらったら、商談へとつなげる営業を行います。
営業には、大きくインバウンド営業とアウトバウンド営業の2種類があります。業界・職種により適切な方法を選択しましょう。2つの違いは以下の通りです。
■インバウンド営業
インバウンド営業とは、自社から有益な情報を配信・公開することで、顧客から問い合わせるよう促す営業手法です。具体的には以下のような営業活動を実施します。
・収集したアドレスへメルマガを配信、問い合わせへとつなげる
・自社サイトから有益な情報を発信し、フォームから問い合わせへとつなげる
・一度サイトを閲覧したユーザーに広告を配信し、問い合わせへとつなげる
■アウトバウンド営業
アウトバウンド営業は、顧客へ直接問い合わせ、商談へと持ち込む営業手法のことです。アウトバウンド営業の具体的な営業方法には以下のようなものが挙げられます。
・顧客へ架電する
・直接訪問する
・手紙を送付する
営業により顧客とコミュニケーションがとれたら、商談の約束を取りつけます。商談当日に話したい内容・商談の日程・場所を明確に決めましょう。
▼日程調整は、相手の都合を確認したり時間の候補を出したりと、意外と手間がかかります。
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「商談内容をまとめる」
商談の日程が決まったら、商談前に当日話す内容を整理しておきましょう。商談は顧客との成約につながる重要な場面。有意義な時間となるよう、事前準備が重要です。
提案する製品・サービスがターゲット顧客の課題をどう解決できるか、商品の魅力を伝えられるよう整理します。
その場で手に取れるものであればサンプルを持ち込んだり、デモができるのであれば用意しておいたりと、顧客が良さを実感できるよう工夫するのがおすすめです。
商談中の流れと成功するためのポイント
商談本番を成功させるために、当日の流れとおさえるべきポイントを紹介します。
名刺交換する
はじめて会う企業とは、名刺交換からスタートします。第一印象によりその後の商談が円滑に進むか否かが決まりますので、ビジネスマナーを守って笑顔で行いましょう。
会社により名刺交換のやり方を決めている場合があるので、事前に同行者や先輩に確認しておくと安心です。最低限おさえるべきマナーは下記のとおりです。
・取引先が複数人いる場合、役職が上の人から順に名刺を受け取る。自社も同様に役職が上の順に名刺交換する。
・先に自分の名刺を差し出す。あるいは、相手と同時に名刺を受け取る。
・名刺を差し出す際に、社名と自分の名前を名乗る。明るくはきはきと笑顔で話す。
・いただいた名刺は机の上に並べる。すぐに名刺入れに収納しない。
アイスブレイクを行う
名刺交換の後はいよいよ話し合いが始まります。いきなり本題から話さず、まずは会話しやすい雰囲気作りを意識しましょう。
商談や打ち合わせに入る前に、緊張を解きほぐす目的で雑談したり別の話題を提供したりする手法が「アイスブレイク」です。
雑談が難しい場合は、商談の時間をもらったことに対して、お礼の気持ちを一言伝えるだけでも場の雰囲気を和らげられます。
名刺交換した担当者の名前を覚えて、名前で呼びかけるのも効果的です。
自社紹介をする
商談において、自分自身・自社が何者であるかを伝えることは重要です。初対面の相手に対して信頼をもってもらい、その後の商談をスムーズにするために、はじめての商談では自己紹介をしましょう。
社名や役職を伝えるだけでなく、顧客に「悩みを解決してくれそう」と期待感をもってもらうことが何より大切です。どういうサービスを提供している会社か、どういう実績があるか、織り交ぜて紹介しましょう。
顧客の悩みをヒアリングし、課題を明確にする
商談を成功させる秘訣は、顧客が抱えている課題や悩みに対し、一緒に解決する姿勢をみせることです。そのため、自社の製品やサービス提案の前に、相手が困っていること・悩みをヒアリングしましょう。
顧客の悩みを自分事で捉え、どこに課題があるのか、どういう解決策を望んでいるのか、明確にしましょう。中には、抱えている悩みや課題を言語化できていない場合があります。「御社の課題は〇〇ですね」「〇〇が実現できれば、御社の事業に貢献できそうですね」と声をかけ、課題や解決策を明確にするお手伝いをしましょう。
解決策として自社製品・サービスを提案する
顧客の課題が把握できたところで、解決策となる自社の製品・サービスを提案します。他社製品にない特徴や差別化ポイント、効果を保証する根拠情報や導入実績から、魅力的にプレゼンテーションします。
提案時は、論理的にわかりやすい話し方を心がけるのがコツ。「結論」→「理由」→「根拠」の順番を意識し、端的に表現していくのがおすすめです。
【例】
結論「自社商品が悩みを解決できる」⇒理由「なぜなら自社商品には〇〇の特徴があるから」⇒根拠「実際に〇〇のデータが出ている」
サンプルやデモ画面を確認してもらいながら話すと、より具体的に製品・サービスの良さを実感してもらえます。
顧客の疑問に答える
提案内容を伝えていくうちに、顧客から質問や疑問をもらう場合があります。「本当にこの製品を導入していいのかな…」という不安を払拭できるよう、顧客に不明点や使用する上で気になる点をヒアリングし、回答を用意しましょう。
顧客から聞かれそうな質問は、商談前にある程度洗い出して、回答を準備しておくのがおすすめです。下記を参考にしてください。
- 金額(いくらかかる?機能を追加すると高くなるのでは?他社品の方が安いんじゃない?)
- デメリット(使用する上で注意することはないの?使えない場面はどんな時?)
- 他社品との違い(他社の似たような製品とはどこが違うの?有名な○○製品よりもコッチの方がよいの?)
- 導入までの工数(導入までにどのくらい時間がかかるの?どんな準備をしておくべき?)
クロージングする
提案とヒアリングができたら、クロージングしその場で成約に至るよう交渉していきます。改めて顧客が抱える課題に立ち返り、自社製品・サービスの良さを伝えて、話を進めましょう。
その場で成約に至った場合は、ご判断いただいたお礼をきちんと伝え、成約後のやること・スケジュールを詰めます。
その場での対応が難しい場合は、導入準備や入金対応といった詳細をお送りするスケジュールだけ伝え、確認してもらうようお願いしましょう。
今後の検討スケジュールを決める
その場で成約に至らず、判断を持ち越しする場合があります。その場合は、今後の検討スケジュールをコントロールしておくのがおすすめです。
今後の検討に必要な情報をその場で整理し、準備・提出するスケジュールをたてます。可能ならその場で次回の商談を設定し、その場限りの検討で終わらないようにしましょう。
商談後の流れと成功するためのポイント
商談で自社製品・サービスの成約に至ったあとは、今後のやり取りで永続的な付き合いができるよう、アフターケアとフォローが大切です。
その日のうちにお礼のメールを送る
商談から戻り次第、顧客へお礼のメールを送ります。後回しにせず、その日のうちに時間をいただいたお礼を伝えましょう。
成約に至ったか否かを問わず、お礼メールは即日対応が原則です。丁寧な対応で印象がよくなり、その後の取引によい影響が出ます。
進捗をチームメンバーに共有する
商談の結果や進捗を、自社の営業チーム、関係のある他部門に共有します。それぞれの会社のやり方に合わせて、情報連携を密に行いましょう。
部門間で連携がとれていないと、適切なアプローチ・サービスが顧客に行き届かず、自社の対応にネガティブな印象をもたれかねません。
あらかじめ社内で情報共有の方法やタイミングを取り決め、商談後に適宜対応してください。
タイミングをみてフォローをする
商談の一度きりしか接触しないと、顧客に自社のことを忘れられ、その後の関係性が築けません。製品・サービスの導入以降、適宜コミュニケーションをとりフォローすることで、顧客が継続的に製品・サービスを利用し続け、利益の最大化に繋がります。
顧客からの返答・反応を待つのではなく、定期的にこちらからアプローチをかけましょう。製品・サービスの使いはじめ、導入して1週間後など、タイミングを決めてメールや電話にて連絡を入れるのがおすすめです。
順次進捗を記録する
顧客への最適なフォローが漏れないよう、進捗管理を徹底する必要があります。特に顧客が複数いる場合、進捗管理が徹底できていないと、対応が後手に回ったり遅れたりしがちです。
人力では限界があるので、営業管理に便利なWebツールを利用しましょう。代表的なものを下記に列挙します。
・SFAツール
SFAツールは、営業支援ツールで、顧客ごとに商談内容を整理して一元管理できます。営業に特化したツールでどの会社でも使いやすいのが特徴です。
・CRMツール
CRMツールは、顧客関係管理ツールで、顧客とのコミュニケーションを管理するのに便利です。情報管理に加え、メール配信や分析・解析機能を搭載しています。
・MAツール
MAツールは、マーケティング活動を自動化するツールです。顧客データを解析し、最適なマーケティング施策を円滑に実行するのに貢献します。
加えて、弊社の「bookrun」を利用すれば、リマインドメールを設定できるため、顧客が予定を忘れてしまうのを防止します。スケジュールを管理する手間が省け、営業活動に注力できるためおすすめです。
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